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プラミペキソールによる抗利尿ホルモン分泌異常症候群

2018年7月掲載

薬剤 プラミペキソール中枢神経用薬
副作用 抗利尿ホルモン分泌異常症候群(syndrome of inappropriate secretion of anti-diuretic hormone:SIADH)
概要 79歳、男性。約8年前にParkinson病を発症し、緩徐に進行する症状に対し適宜治療薬の調整を行っていた。以前より立ちくらみを認めていたが、約2年前より失神が悪化し、入院となった。入院時、L-dopa(ネオドパストンL100®) 300 mg/日、pramipexole(ビ・シフロール®、ミラペックスLA®) 2.25 mg/日、selegiline hydrochloride(エフピー®) 5 mg/日、cabergoline(カバサール®) 0.75 mg/日、droxidopa(ドプス®) 300 mg/日、istradefylline(ノウリアスト®) 20 mg/日、telmisartan・hydrochlorothiazide(ミコンビ®) 40 mg・12.5mg/日、solifenacin succinate(ベシケア®) 5 mg/日、tamsulosin hydrochloride(ハルナールD ®) 0.2 mg/日、mosapride citrate hydrate(ガスモチン®) 15 mg/日を服用していた。
入院時検査所見では、便秘、wearing off、on時のParkinson症状、血清ナトリウム軽度低下(130 mEq/L)を示す以外、異常を認めなかった。Parkinson病に伴う自律神経症状に薬剤性の起立性低血圧が加わり、起立時の失神をきたしたと考え、薬剤の調整ならびにdroxidopa(ドプス®)を900 mg/日まで増量し、プラミペキソールを1.5 mg/日まで減量した。起立性低血圧は改善したが低ナトリウム血症が出現し(126 mEq/L)、改善しなかった。血漿浸透圧が低値(264 mOsm)、尿浸透圧が高値(352 mOsm)、尿中ナトリウム排泄量が高値(63 mEq/L)とSIADHの診断基準を満たし、プラミペキソール開始後2450 日と長期であること、また減量後に発症していたことなどから薬剤性であると診断した。Rotigotine(ニュープロパッチ®)13.5 mg/日に切り替え、血清ナトリウム値は正常化し、以後再発していない。

監修者コメント

ドパミン作動性パーキンソン病治療剤であるプラミペキソールによりSIADHを発症した症例である。本薬剤の添付文書にも、重大な副作用としてSIADHが記載されているが、非常に稀で認知度も低い。また、本症例のように減量後に顕在化するケースもあるため、本薬剤の投与中はSIADHの発症も考慮し、定期的な電解質チェックを行うことが重要である。

著者(発表者)
斎藤直史ほか
所属施設名
大原記念財団大原綜合病院神経内科ほか
表題(演題)
Pramipexoleにより抗利尿ホルモン分泌異常症候群が誘発されたParkinson病の1例
雑誌名(学会名)
神経治療学 34(4) 467-470 (2017)

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