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トスフロキサシンによる腱炎

2014年5月掲載

薬剤 トスフロキサシン化学療法剤
副作用 腱炎
概要 4歳、男児。発熱、咳嗽に対して近医で治療を受けていたが、高熱が続いたため当科を受診した。右肺野に肺炎像を認め、マイコプラズマ抗体は80倍であった。セフトリアキソン、ロキタマイシンを投与したが、高熱が続いたためピペラシリン、トスフロキサシン(オゼックス®)に変更し、ヒドロコルチゾンを追加した。咳は減少し、平熱となり、元気に経過した。その後、朝から左膝の痛みを訴え、左膝外側後方の大腿二頭筋腱部に圧痛を認めた。本人、家族の希望もあり自宅で安静療養となったが、左膝の痛みが増強して、発症3時間後には跛行状態となった。トスフロキサシンによる腱炎と考え、トスフロキサシンの内服を中止した。内服中止3日後には跛行状態は続くものの圧痛は改善し、7日後には圧痛が消失し、普通に歩行などの運動が可能となった。

監修者コメント

トスフロキサシン(オゼックス®)は小児に適応がある数少ないニューキノロン系の抗菌薬である。近年、マクロライド耐性肺炎マイコプラズマが増加しており、テトラサイクリン系抗菌薬の使用には歯牙の黄染などの問題があるため、年少児ではトスフロキサシンが投与される例が多くなっている。本症例はマイコプラズマ肺炎で入院加療を要した4歳児であり、トスフロキサシン投与後に左膝外側の痛みが増強し、同薬剤による腱炎と診断された。高齢者ではニューキノロン系抗菌薬によるアキレス腱断裂・アキレス腱炎の報告があり、小児においても稀ではあるが腱炎、腱障害の発生に十分注意する必要がある。トスフロキサシンの投与中に腱部の痛みなどの症状が認められた場合は、早期に投与を中止するなどの適切な処置をとる必要がある。

著者(発表者)
西田隆ほか
所属施設名
国立病院機構豊橋医療センター小児科
表題(演題)
トスフロキサシンにより腱炎を発症したマイコプラズマ肺炎の4歳の男児例
雑誌名(学会名)
小児科臨床 67(3) 445-449 (2014.3)

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