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オルメサルタンによる下痢

2015年6月掲載

薬剤 オルメサルタン循環器官用剤
副作用 下痢症
概要 40歳代、男性。30歳時に脊髄小脳変性症と診断された。37歳時から高血圧に対して、オルメサルタンを内服開始され、以後血圧のコントロール良好であった。42歳時に特に誘因なく水様下痢が出現したため、内服薬を中止し絶飲食完全静脈栄養(TPN)にて下痢は改善した。その後、血圧が再上昇し、オルメサルタンの内服を再開したところ、2週間後より同様の水様性下痢が再燃し、1日10数回の下痢が持続した。絶飲食TPNにて下痢は改善するも、オルメサルタン再開に合わせて下痢が再燃した。カプセル内視鏡で十二指腸から空腸・回腸に絨毛の短縮がみられた。

監修者コメント

オルメサルタン(オルメテック®)は、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)に分類される降圧剤である。比較的副作用の少ない安全な薬剤であるが、2013年に使用上の注意が改訂され、「重大な副作用」の項に「重度の下痢」が追記された。本症例においても、オルメサルタンの内服により持続する水様下痢が出現し、病理学的にセリアック病様の小腸の絨毛萎縮や上皮内リンパ球浸潤を認めたため、オルメサルタン関連腸症と診断された。オルメサルタンの内服中に水様下痢が出現した場合は、本合併症を念頭に置く必要がある。

著者(発表者)
三浦史郎ほか
所属施設名
長崎大原研生体材料保存室(原研試料室)ほか
表題(演題)
オルメサルタンの関与が疑われたセリアック病様の重症下痢症の1例
雑誌名(学会名)
日本病理学会会誌 104(1) 413 (2015.3)
第104回 日本病理学会総会 (2015.4.30-5.2)

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