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ボグリボースによる腸管気腫症

2015年7月掲載

薬剤 ボグリボースその他の代謝性医薬品
副作用 腸管気腫症
概要 33歳、女性。 間質性肺炎を伴う筋症状を欠いたClinically Amyopathic Dermatomyositis(CADM)に対して、ステロイドパルス及び大量療法、シクロホスファミドパルス療法、タクロリムスを開始し、間質性肺炎及び皮膚症状の経時的な改善を認めた。一方、ステロイド糖尿病を発症し、リナグリプチン、ミチグリニド、ボグリボースを追加し、良好な血糖コントロールが得られた。ボグリボース開始後33日目にCTで腹腔内遊離ガスを認め、腸管気腫症と診断した。絶飲食、ステロイド以外の薬剤を全て中止したところ、4日後には腹腔内遊離ガスの改善傾向を認めた。同日より経口摂取とボグリボース以外の薬剤を再開した。14日後には遊離ガスの消失を認めた。

監修者コメント

腸管気腫症は消化管の粘膜下や漿膜下に多房性または直線状の含気性嚢胞を形成する疾患である。本症例は、 皮膚筋炎にて加療中に合併したステロイド糖尿病に対してα-グルコシダーゼ阻害剤であるボグリボース(ベイスン®)の内服を開始したところ、腸管気腫症を発症した一例である。α-グルコシダーゼ阻害剤による腸管気腫症の合併はこれまでにも報告があるが、診断がつかず外科的処置後に診断確定に至った症例も多い。糖尿病に対するα-グルコシダーゼ阻害剤内服の際は、副作用として腸管気腫症を合併する可能性に注意する必要がある。

著者(発表者)
齋藤昌大ほか
所属施設名
産業医科大学若松病院リウマチ・膠原病内科ほか
表題(演題)
α-グルコシダーゼ阻害薬による腸管気腫症を認めたClinically Amyopathic Dermatomyositis(CADM)の一例
雑誌名(学会名)
九州リウマチ 35(1) 54-60 (2015.3)

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