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メトロニダゾールによる脳症

2016年1月掲載

薬剤 メトロニダゾール寄生動物用薬
副作用 脳症
概要 22歳、男性。誤嚥性肺炎治療中に生じた脳膿瘍のため当科に入院した。膿瘍病変は右前頭部硬膜下と後頭葉に多房性に認められ、セフトリアキソン、メトロニダゾールを投与した。画像所見、臨床所見共に改善し、後遺症として左上四分盲が残存した。その後、強直間代性の痙攣があり、当院再入院となった。来院時軽度の意識障害と右上下肢不全麻痺が認められた。頭部MRIでは左半卵円中心、両側中脳蓋部、両側小脳歯状核、脳梁膨大部にFLAIR高信号変化が認められ、その一部は拡散強調画像(DWI)における拡散制限を呈していた。小脳、中脳病変からメトロニダゾール脳症が疑われ、同薬を中止したところ、画像所見、臨床症候共に改善した。

監修者コメント

メトロニダゾールは嫌気性菌感染症、感染性腸炎、トリコモナス症、ヘリコバクター・ピロリ感染症などの治療薬として広く使用されている。メトロニダゾール脳症は、同薬剤を長期・高用量使用中に発症する比較的稀な疾患であり、典型的には両側性の小脳歯状核、中脳蓋部、脳梁膨大部などに病巣を呈するとされている。本症例では、非典型的な画像所見を示したが、症状や臨床経過などより、メトロニダゾール脳症と診断されている。メトロニダゾールを長期間・高用量使用中に意識障害や麻痺などを認めた場合には、本合併症を念頭に置く必要がある。

著者(発表者)
松原崇一朗ほか
所属施設名
熊本赤十字病院神経内科ほか
表題(演題)
非典型的な画像所見を伴ったメトロニダゾール脳症の1例
雑誌名(学会名)
Neuroinfection:神経感染症 20(2) 186 (2015.9)
第20回 日本神経感染症学会総会・学術大会 (2015.10.22-23)

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